愛と怒りの行動経済学 賢い人は感情で決める
2018年04月18日
去年(2017年)のノーベル賞でリチャード・セイラー氏がノーベル経済学賞を受賞して以来、私が注目しているのが「行動経済学」です。
普通の経済学と違って、「人は合理的には動かない」ということを前提としており、心理学もプラスされているので、
- 消費者がなぜ消費行動を起こすのか?
- なぜ購買してくれないのか?
という謎がとけちゃう学問なのです。(めっちゃざっくりですが…。)
そこで、今回ご紹介する本はエヤル・ヴィンター著「愛と怒りの行動経済学 賢い人は感情で決める」です。
感情的になることは、冷静な判断ができなくなり悪いことのように言われるが、実は人が進化の過程で身に付けてきた合理的な判断である…ということを、脳科学・行動経済学・ゲーム理論を使って解き明かしていきます。
表紙が男女のイラストで、「愛と怒りの」なんていうタイトルが付けられているので、恋愛に関する本かな?と勘違いしそうですが、(男女の本能を進化論や脳科学的に説明する場面はありますが)真面目な行動経済学のお話です。
- 囚人のジレンマ
- 最後通牒ゲーム
- 独裁者ゲーム
- 信頼ゲーム
…といった、ゲーム理論の実験をグラフを使ってわかりやすく説明しているので、人間がどのように相手と交渉して意思決定をしているのか、面白く読むことができました。
QRコードから動画を見ることもできます。
著者の経歴が、イスラエルとドイツの国籍を持ち、エルサレムのヘブライ大学で学んだ後、アメリカの大学教授を経て、イギリスの大学で教授をしているという方なので、国籍や人種による考え方・感じ方の違いみたいなのもあって興味深かったです。
行動経済学の入門書としては少し難しいので、入門書を読んだ後により深く知るための一冊としておすすめです!
ベイズの定理やピア効果などの心理学的アプローチや、実験や事例も多くて、著者自身や家族のエピソードも交えて説明されているので、とってもわかりやすかったですよ。
「愛と怒りの行動経済学 賢い人は感情で決める」の目次
第1部 怒りとコミットメント
1.悩むことにはどんな意味があるのか
2.なぜわれわれは、残酷な仕打ちをする相手に惹かれるのか
3.感情のペテン、共感、おじのエズラのポーカーフェイス
4.ゲーム理論、感情、倫理の黄金律
5.かかわり合いが繰り返されるときの囚人のジレンマ
6.礼儀、侮辱、報復
第2部 信頼と寛大
7.汚名と信頼のゲーム
8.自己成就不審
9.文化の相違、パレスチナ人の寛大、ルースの失踪の謎
10.集合的感情と大おじのヴァルターのトラウマ
11.ハンディキャップ理論、十戒、集団を存続させるそのほかのメカニズム
12.与え方と受けとり方
第3部 愛と性
13.愛を与えてくれるスプレー
14.男と女と進化
15.良縁求む
16.穴居人の笛からバッハのフーガまで
第4部 楽観主義、悲観主義、集団行動
17.なぜわれわれはこれほどネガティブなのか
18.傲慢と謙虚
19.自信過剰とリスク
20.まわりの声
21.チーム精神
第5部 合理性、感情、遺伝子
22.不合理な感情
23.生まれか育ちか