価格競争でライバルと比較されないために!「リンゴとミカンの法則」
2019年01月8日
毎日使ったら元取れますよ~
目次
同じ土俵で勝負しない!「リンゴとミカンの法則」とは?
ライバル店やライバル会社が同じ商品・サービスを出している場合、自社商品の方が値段が高い場合、価格で比較されてしまうと負けてしまいます。
だからといって、「相手が〇〇円なら、こっちは▲▲円!」と値引き合戦になってしまっては、消耗して体力がなくなってしまうだけです。
価格競争から脱却するためには、ライバルと同じ土俵では戦わないのが鉄則です。
ライバルの土俵を下りて、自分の土俵に別の比較対象を乗せましょう。
「リンゴとリンゴ」を比較してもらうのではなく、「リンゴとミカン」を比較してもらうのです。
消費者は比較対象がリンゴ同士でなくても、ミカンと比べて「お得だ」と感じてくれれば、購買行動を起こしてくれます。
リンゴとミカンの法則の事例
高価なブランドバッグの場合
例えば、上記の会話で出てきた高価なブランドバッグの場合。
実際に所長がおいくらのバッグを買ったかはわかりませんが、例えば10万円だったとします。
10万円のバッグと8万円のバッグを比べてしまったら、「8万円の方が安い!」となってしまいます。
しかし、毎日使えるようなデザインのバッグだった場合、1年間毎日使ったとしたら1日あたり約273円になります。スタバのShortサイズのコーヒーが1杯280円ですので、コーヒー1杯分より安くなります。
しかも、コーヒーは飲んでしまったらおしまいですが、ブランドバッグは手元に残りますし、1年どころか、一生モノのことだってあります。
バッグ同士で比べるのではなく、コーヒー1杯の値段と比べたら「安い!」と思って貰えるのです。
整骨院の施術メニューの場合
ゆる研の運営会社が整骨院専門のホームページ制作をしているので、また整骨院の事例になりますが、例えば腰痛専門施術のメニューを1回7000円で施術していたとします。
近所の整骨院が1回3500円だとしたら、「倍も高い!」ということになってしまいます。
週1回、3ヶ月で腰痛が改善するコースの場合、7000円×月4回×3ヶ月=84000円になります。
84000円でヘルニアの手術が回避できるとしたらどうでしょう?
保険が効く手術でも20~30万円、保険が効かないレーザー治療だと40~60万円かかる場合もあります。しかも、手術後は安静にしなければいけないので仕事を休まないといけません。
整骨院での腰痛施術なら、仕事をしながら通院できます。
ライバルの整骨院と比較するのではなく、病院の整形外科での手術と比較すると価値を感じて貰えるでしょう。
英会話教材の場合
英会話教室の月謝が8000円の場合、英会話教材のDVD10巻セットが80000円だとしたら、10倍の値段だと思われてしまいます。(実際は1ヶ月で英会話教室を辞める訳ではないので、8000円と80000円を比較するのはおかしいのですが、人間は提示されたパッと見の金額で判断してしまいます。)
英会話教室と比較したら負けてしまいますが、海外留学と比較したらどうでしょう?
授業料だけでなく、渡航費用・ホームステイ費用もかかるので、留学先にもよりますが3ヶ月で100万円以上かかってしまいます。
留学しなくても英語力がつくとしたら、英会話教材DVDの方がお得!と思って貰えます。
自社の商品・サービスに当てはめるには、リフレーミング効果を使おう!
いざ、「リンゴとミカンの法則」を自社商品・自社サービスに当てはめようとしても難しい…という方は、行動経済学のリフレーミング効果を使ってみましょう。
リフレーミング効果とは?
リフレーミングとは、フレーム(枠組み)を再構築して、見え方を変える手法です。
リフレーミングすることで、短所が長所に見えたり、デメリットがメリットに見えたり、イメージが変わってしまいます。
リフレーミングは人の心理に影響を与え、同じ物事であるにもかかわらず合理的な判断ができなくなり、購買を決断してしまったりする…というのが行動経済学のリフレーミング効果です。
簡単に言うと
- コップに水が「半分しか残ってない」と言うより、「半分も残っている」と言う方がポジティブな印象を与えます。
- 交通事故の「死亡率10%」と言うよりも、「生存率90%」と言う方がリスクが低いイメージを与えます。
- 洗濯洗剤「0.5リットル増量」と言うより、「500ml増量」と言う方がお得に感じます。
…というように、物事の枠組みを変えて、印象を操作するのがリフレーミングです。
リフレーミング効果を「リンゴとミカンの法則」に応用する5つの方法!
次の5つの方法を使うと、簡単にリフレーミング効果を「リンゴとミカンの法則」に応用することができます。
方法1 フレームを小さくしてみる
上記の高級カバンのように、1日単位の金額に変えてみると感じ方が変わります。
1日単位の金額より高いもの(例:コーヒー1杯)と比較するとお得に感じます。
例:美顔器とエステを比較
美顔器20万円は高いかもしれないけど、毎月1回・1万円のエステに通うことを考えれば、約1年半で元が取れるし、毎日使うことができるのでエステよりお得です!
例:新車とスマホ代を比較
新車のローンが月々のスマホ代でOK!マイカーローン特別金利キャンペーン
方法2 フレームを大きくしてみる
方法1とは逆で、1年単位など単位を大きく変えてみる手法です。
例:冷蔵庫と飲み代を比較
10年前よりも消費電力を1日あたり約10円節約できる冷蔵庫なら、年間3650円の節約になります。1回飲みにいけるくらいの金額が節約できます!
方法3 別のフレームに置き換えてみる
少し前に見た記事なのですが、8歳の小学生が毎日の荷物の重さを測ったら、一番重い日で6220g、1ヶ月間(20日間)の合計は96kgで「熊1頭分」の重さになったそうです。
同じ96kgでも熊1頭分と言われた方が重く感じますよね。
別のフレームに置き換えて比較する手法です。
例:栄養ドリンクとレモンを比較
この栄養ドリンクはビタミンC1000mg、レモン50個分が含まれています。
レモン50個食べるのは大変ですが、ドリンクなら気軽に摂取できます。
例:分数と歩数を比較
駅から徒歩1分以内!たったの20歩で到着します。
方法4 フレームを逆から見てみる
ネガティブなことも逆から見たらポジティブに変換できます。
注目する視点を変えて比較してみましょう。
例:小規模なことをメリットに変換
大規模な会社よりも、少数精鋭でフットワークが軽いのが当社の魅力です。
例:注目する視点を変える
駅近物件よりも、閑静な住宅街で治安も良いエリア!駐車場0円
方法5 他のフレームを足してみる
比較対象が2つしかない場合、消費者は安い方に流れやすくなりますが、3つになると真ん中を選びたがります。これは人は極端を嫌い、「安すぎる物」「高すぎる物」を回避する傾向があるからです。これを心理学では極端の回避と呼ばれます。
「松竹梅の法則」や「ゴルディロックス効果」とも呼ばれます。
例:他社のサービスとの比較表を3社分載せて、自社のサービスが価格で真ん中にくるように設定する。
例:自社より高額な商品・サービスを行っている他社と比較させる。
「リンゴとミカンの法則」まとめ
- ライバルの商品・サービスと比較せず、比較対象を全く別のものに変えよう!
- リフレーミング効果を応用しよう!
- フレームを大きくする、小さくする、別のフレームに置き換える、逆から見る、他のフレームを足す
価格競争でライバルと比較されないようにするためには、情報をしっかり与えて価格以上の価値があるのを伝えることが大切です。
その価値を伝えるために、ぜひ「リンゴとミカンの法則」を使ってみてください。