シズルを売るとは?ホイラーの法則5ヶ条
2018年05月7日

目次
広告で大事な「シズル」とは?
「シズル(sizzle)」とは、ステーキを焼く時のジュージューという音や、フライドチキンを揚げる時のジュワジュワという音を表す英語です。
広告業界では、購買意欲を刺激するための音や匂いを感じさせる臨場感のことを「シズル感」と呼びます。
例えば、みえこさんの大好きなビールのCM。
缶を「プシュッ」と開け、コップに「トクトク」と注ぎ、泡が「シュワシュワ」弾け、「ゴキュゴキュ」と喉越し良く飲み干し、「プハーッ」と満足げに声を上げる。
シズル感の集大成ですね~。今すぐにでも飲みに行きたくなります(笑)
横で餃子がジュージュー焼けてたら最高ですね~。
ビール飲まないしわかんないよ…って方は、ソーセージのCMでソーセージをかじった瞬間に「パリッ」と皮が弾け肉汁が飛び出すシーンや、ピザのCMでアツアツの湯気が出ているチーズが「とろーり」ととろけて糸を引くシーンや、ドレッシングのCMで瑞々しいレタスに水滴がしたたるシーンを思い出してみてください。
五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)に訴えて、「美味しそう」と思わせようと演出されています。
ホイラーの法則 5ヶ条
アメリカの営業コンサルタントでセールスのノウハウを説いた、エルマー・ホイラーは10万以上のセールスコピーを分析し検証して「ホイラーの法則」を見つけました。
【ホイラーの法則 5ヶ条】
第一条 ステーキを売るな、シズルを売れ!
第二条 手紙を書くな、電報を打て!
第三条 花を添えて言え!
第四条 もしもと聞くな、どちらと聞け!
第五条 吠え声に気をつけよ!
これらの法則はセールスコピーにもセールストークにも役立ちます。
第一条 ステーキを売るな、シズルを売れ!
ステーキを売りたいと思うなら、値段や肉質よりもステーキの焼ける音や匂いで食欲を刺激意欲して、商品そのものではなく「買いたくなる理由」をアピールしろ!というのがホイラーの法則第一条です。
商品を売り込もうとすると、ついつい商品の特徴やスペックを説明してしまいがちです。
例えば各社から出ている4Kテレビの特徴を、こちらは「ヘキサクロマドライブ」が採用されていて、あちらは「直下型LEDバックライト」が使われています、そちらは「ハイレゾ対応」です。と説明されてもなんのこっちゃわかりません。
「お気に入りのアーティストのライブ映像を観るなら、低音がみぞおちにズンズン響くこちらの商品ならダイナミックな臨場感を堪能できます!」とか、
「ハリウッド映画を観るなら、画面のコントラストがきれいで奥行きが出るこちらの商品なら、映像に迫力があって目の前にせまって来ます!」とか、
「スポーツ観戦するなら、速い動きに対応していて残像が残りにくい、こちらの商品だとスピード感が楽しめます!」とか、メリットではなくベネフィットをしっかり伝えることが大切です。
第二条 手紙を書くな、電報を打て!
ホイラーが活躍したのは今から約80年前ですので、当時はメールなどなかったので「電報」という言葉が使われていますが、短いフレーズで速く伝えることがホイラーの法則第二条です。
選挙の「勝たせ屋」として選挙当選のためのコンサルティングをしてる鈴鹿久美子さんによると、選挙演説は20秒でまとめるのがポイントとのこと。
道行く人が選挙演説している前を通りがかってから、通り過ぎるまでの間が約20秒なので、それ以上長くなると誰も聞いてくれず注目してもらえないのだそう。
選挙演説は通り過ぎるまで20秒の猶予がありますが、キャッチコピーなら10秒、Webサイトとなるともっとシビアで3秒です。
訪問者は3秒でサイトの印象を決めて、自分に必要な情報か否かを判断してしまうのです。
3秒でパッと目に入るデザインと瞬時に心に突き刺さるキャッチコピーが大切です。
第三条 花を添えて言え!
何かをアピールした後には、証拠を添えて伝えるのがホイラーの法則第三条です。
プロポーズの時も花束を添えて結婚を申し込むと気持ちが相手により伝わるのと同じことです。
アメリカ式ダイレクトマーケティングの手法を日本で広めた、経営コンサルタントの神田昌典さんは、ご自身の書籍が売れた理由を「90日で儲かる!」とインパクトのあることを言った後に書籍の帯で実績をしっかり紹介したことが、大ヒットにつながったと分析してらっしゃいました。
インパクトの大きさで目を引いても、証拠となる実績がなければ納得させることができないということですね。
実は【ゆる研】の運営会社であるポータルズ(治療院専門のホームページ制作会社)でも、実績が1000院を超えたことをホームページでアピールし始めたあたりから、ありがたいことにご新規のお客様ラッシュで2ヶ月先まで制作をお待ちいただいている状態です。
納得させる材料=証拠を用意しろ!ということですね。
第四条 もしもと聞くな、どちらと聞け!
人は決断をせまられると、「決断を先延ばしにする」という癖があります。
見込み客にクロージングをかけ始めた途端、
「もう少し検討してみます」
「家族に相談してからにします」
「他の商品も見てからにします」
「また次の機会にします」
と、逃げられてしまった経験はないでしょうか?
私自身も売り込みをかけられると逃げたくなるタイプなので、よくわかります。
行動主義心理学によると「失敗を恐れる」タイプの人間は、決断を先延ばしにしたがる傾向が強いそうです。決断をすることで負うリスクを回避したがるんですね。
「もしも、お買い上げいただくなら…」と購入をせまるよりも、
「どちらの色がお好みですか?」
「どちらのタイプが生活スタイルに合ってますか?」
「どちらの商品がご予算に近いですか?」
と、小さな二択の質問を積み重ねて、相手に選択させていくのです。
「どちら?」と聞かれると「どちらかというと、こっちかな」と選んでくれることが多く、売り手が用意した選択肢であっても、自分で選択することであたかも自分が判断したような錯覚におちいり、売り手の求める結果に誘導されていても「自分で判断したから」と納得してしまうのです。
私はこのテクニックを子育てでよく使います。(特にイヤイヤ期に使いました)
「早く靴下履いて!」と言っても「イヤー!」となるところを「今日の靴下、シマシマにする?水玉にする?」と聞くとどっちか選んで「自分で決めた」という満足感で、すんなり着替えてくれたり、言うことを聞いてくれることが多いのです。
大人でも、人に決められるより自分で決める方が満足度が高いことは同じですので、購入の決断をせまるのではなく、相手に選んでもらうための質問を投げかけることが大切です。
第五条 吠え声に気をつけよ!
これは、「声のトーンに気を付けて話しなさい」ということです。
同じ調子で淡々と話すのではなく、声の大きさに抑揚をつけたり、声の高さを低くしたり高くしたり、ゆっくり話したり早口になったり、話す内容や強調したいことに合わせて、話し方を変えるのです。
ホイラーは「微笑みを含んだ声」で話すことを勧めています。
優しいトーンで穏やかに話すと相手は心を開いてくれるからです。
これは、話し方だけでなくチラシのデザインやWebサイトでも同じことが言えます。
強調したいところは大きく目立つように、雰囲気に合わせたフォントを使い分け、メリハリをつけたデザインにすることで、伝えたいポイントが伝わりやすくなるのです。
まとめ
約80年前にホイラーが提唱した「ホイラーの法則」ですが、時代が変わっても人の購買心理は変わらないので、現代でも通用するテクニックです。
- 五感に訴える魅力で購買意識を刺激する!
- 10秒で伝わる短いフレーズで惹きつけろ!
- アピールするなら証拠を添えろ!
- 「どちら」と2択で決めさせろ!
- 話し方やデザインに変化をつけろ!
ぜひ、あなたの扱っている商品・サービスに応用してみてください!