「99通りのオファー」で消費者を引き付ける!魅力的なオファーとは?【Part3】
2018年04月26日
目次
ジム・コブスの99通りのオファー Part3
3回に渡ってご紹介してきた、「ジム・コブスの99通りのオファー」ですが、今回が最終回です。
前回は、以下のオファーについて59個目までご紹介しました。
- 割引特売
- 見本提供
- 期限付き特典
- 保障
今回は、いよいよ最後!
- 売上げ増進
- 懸賞提供
- クラブ加入
- 特殊オファー
についてご説明していきます。
【9】売上げ増進に関するオファー
58マルチ・プロダクト・オファー(複数商品の選択)
同一の広告や郵便物で、1つの商品だけでなく、2つかそれ以上の商品を提案し、顧客に気に入ったものを選ばせるオファー。一般的なものはカタログである。
- 事例1:カタログ通販ショップ
- 事例2:カタログギフト
- 事例3:セレクトショップ
59ピギーバック・オファー(便乗した提案)
複数商品の提案に似ているが、1つの商品が評判の良いものである場合に、顧客に有力商品のついでに他の商品も買ってもらうことを意図し、有名商品に便乗して他の商品も提案するしくみ。
※ピギーバック=豚の背中。ついでに乗せてもらう、つまり便乗ということです。
- 事例1:イベントのスポンサーになって、イベントに興味を持ってくれた人についでに自社製品を宣伝する。
- 事例2:Twitterのトレンドワードに関連した#(ハッシュタグ)を使って、自社製品を宣伝する。
- 事例3:受験という人生の一大イベントに便乗して応援商品を販売する。
(キットカット=きっと勝つ、ウカール=受かる、南三陸オクトパス君=置くとパス)
60デラックス・オファー(豪華版)
普通の標準的な商品にわずかの費用を追加するだけで、豪華版を買うことができるようにして、顧客に豪華版を選ばせようと提案したオファー。
- 事例1:Blue-rayやDVDを販売する時に通常版と豪華版を販売して、豪華版にはブックレットやメイキング映像などの特典付きにする。
- 事例2:ゲームを販売する時にアイテムやコンテンツを追加したデラックス版を販売する。
- 事例3:腕時計にダイヤモンドを付けて、上位クラスの商品を作る。
61グッド・ベター・ベスト・オファー(商品3タイプの提案)
商品を3ランクに分け、3種の商品の中から最も気に入った商品を選ばせようとするしくみ。
※日本では、松竹梅の法則とも言われます。
- 事例1:ランチのコースをABCの3コースから選んでもらう。
- 事例2:プランをライトプラン・スタンダードプラン・プレミアムプランの3種類用意する。
- 事例3:メーカーの保証期間を1年、3年、5年の中から選ばせる。
62アド・オン・オファー(追加品の提供)
主たる商品の他に、付随した商品を追加して売り込もうと考え、追加品の価格を引き下げて衝動買いを促そうとしたオファー。
- 事例1:エステのコースを申し込んだら、オプション半額
- 事例2:浄水器を買ったら、専用カートリッジ20%OFF
- 事例3:最新のiPhoneを分割で購入してくれたら、機種変する時に半額サポート
63ライト・ユア・オウン・ティケット・オファー(本人記述時の提案)
雑誌社がしばしば採用してきた方式であって、どのくらいの期間購読するかを本人に記述させることによって、本人が希望する期間だけ申し込めるようにしたオファー。
- 事例:サプリメントの通販の定期購入
64バウンス・バック・オファー(追いうち提案)
最初の商品を出荷したときに、追いうちをかけるかのように、同封して別の商品を売り込む提案をも送り、2度目も買ってもらおうと訴えるオファー。
- 事例1:通販で商品を発送する時にカタログやチラシを封入する
- 事例2:ネットショップで購入後のサンキューページにおすすめ商品を並べる
65インクリーズ・アンド・イクステンション・オファー(増額や延長)
最初の販売に引き続いて、新しい提案を顧客に提示するオファー。
【10】懸賞提供に関するオファー
66ドローイング・タイプ・スウィープステークス(抽選方式の懸賞)
1回の抽選もしくは数回の抽選で、ランダムな抽選で当選者が選ばれることをしくみとするオファー。懸賞の多くはこの抽選方式である。
- 事例:対象商品購入者の中から抽選で500組1000名を宝塚歌劇の観劇にご招待
67ラッキー・ナンバー・スウィープステークス(幸運番号方式の懸賞)
広告物やダイレクト・メールが発送される前に、各自の番号が記入され、当選番号も決まっている懸賞。
- 事例:くじ付きDMハガキを発送する
68エブリバディ・ウィン・スウィープステークス
(はずれなし方式の懸賞)
今ではあまり用いられないが、全員に当たる懸賞であって、最下等にはほとんど金のかからない賞品を渡すもの。
- 事例:商店街の年末ガラポン抽選会
69インボルブメント・スウィープステークス(参加方式の懸賞)
顧客が自ら秘密の封筒を開き、ゲームをし、当選番号と自分の番号とを照合して、懸賞に当たったかどうかを知る方式。
この懸賞だと、当たった人に、いかなる賞品が与えられるかを顧客に強く印象づけることになるため、話題を呼びやすい。
- 事例:テレビのデータ放送でクイズに応募させて商品をプレゼント
70タレント・コンテスト(能力コンテスト)
作文や絵画についてコンテストし、優勝者に賞品などを与えると訴えるものである。
- 事例:伊藤園「おーいお茶新俳句大賞」の受賞者に賞金50万円
【11】クラブ加入に関するオファー
71ポジティブ・オプション(積極的な選択)
顧客がブック・クラブやレコード・クラブ等に加入すると、顧客に対して毎月
新しい本やレコードが紹介され、低廉な価格で提供されると通知される。
顧客が自ら注文書を記入し、申出をすれば供給しようというオファー。
72ネガティブ・オプション(消極的な選択)
クラブに加入した顧客に対して、毎月、新しい商品のリストが事前に通知される。そのリストを見た顧客が一定期日までに拒絶の申出をしない限り、リストに提示された商品が顧客に提供されるしくみ。
73オートマティック・シップメント(自動的出荷)
事前に商品のリストが通知されないまま、自動的に顧客に対して、商品が送られてくるしくみになっており、顧客の側で出荷を断るとはじめて、その時以降の商品の出荷が中止されることになるしくみ。
74コンティニュイティ・ロード・アップ・オファー(継続的出荷)
継続的に刊行される書籍に用いられるのが通例であって、まず最初に配本される第1巻は無料で提供され、顧客がそれを見て欲しいと思い、後日1冊の代金を支払うと、その見返りとして第2巻の本が配本されることになるしくみ。
75フロント・エンド・ロード・アップ(先約的提供購入)
顧客がレコードクラブに加入すると意思表示し、来年から少なくとも4枚のレコードを購入すると約束した場合に、レコードクラブは特別に今年、顧客に対して4枚のレコードを100円で提供するという特典を与えるしくみ。
通例、最低注文量以上の枚数を買うと約束し、一定期間内に顧客が注文した場合に認められている。
76オープン・エンデッド・コミットメント(期限なし先約)
フロント・エンド・ロード・アップと同じように来年のレコード購入枚数を約束するものであるが、先約購入の時間的な期限がつけられていない場合のオファー。
77ノー・ストリング・アタッチド・コミットメント
(購入の先約のない約束)
フロント・エンドやオープン・エンドと同じように、来年のレコードの購入を顧客が約束するものの、顧客は何枚購入するかを申し出なくてもよいという場合。
78ライフタイム・メンバーシップ・フィー(終身会員費)
一度、会員費を支払って終身会員になると、顧客は毎月新しい商品の案内を生涯にわたって、貰い続けることとなるオファー。
79マニュアル・メンバーシップ・フィ(年会員費)
クラブ会員になると、毎年、一定額の年会員費を支払うけれども、その代わり顧客は様々な便益を受けることができるしくみ。
【12】特殊オファー
80フィランスロピック・プリバレッジ(慈善協賛)
買い物をしてくれた顧客に対して、見返りのギフトなどを提供せず、社会的慈善活動への寄付者として名前をつらねてもらうことにする、というしくみ。
81ブランク・チェック・オファー(白地小切手)
顧客に対して、白地の後日支払いの小切手を提供するしくみ。
82エグゼクティブ・プレビュー・チャージ(経営者の事前視聴)
セールスマン訓練用フィルムの販売に導入され、成功を収めたしくみであって、その訓練用フィルムが優れたものであるかどうかを、フィルム購入前に経営者に事前チェックさせる。その際、フィルム事前視聴費用を支払ってもらう。
その後になって、経営者がそのフィルムを購入したいと言った場合に、フィルム代金から事前視聴費用分を値引きしようとするしくみ。
83イエス・ノー・オファー(イエス・ノー選択)
顧客に、イエスかノー、いずれかを決めさせ、それを契機に、顧客にイエスという回答をさせ、顧客にメリットを享受させようとする提案。
84セルフ・クオリフィケーション・オファー(自己審査による選択)
顧客が商品に抱いている興味の程度を、顧客自身に表明させようとするオファー。例えば、顧客に対して、(1)無料冊子の送付、(2)無料デモンストレーション機会の提供など、という提案を行い、どれを選ぶかを顧客に任せる。
顧客が後者のデモンストレーションを希望したとすれば、その顧客はかなり真剣に考えている人であると分かるので、この顧客には直ちに対策を打つ必要がある、と判断してよい。
85イクスクルーシブ・ライツ・フォー・トレーディング・エリア
(商圏に対する排他的権利の付与)
競争の激しい業界の企業を顧客とする場合に、顧客に対して、一定商圏内では、その顧客とだけ取引し、他の企業を顧客とはしないと約束したしくみ。
86スーパー・ドラマティック・オファー(劇的効果を狙った提案)
劇的な効果を狙った提案で、まれに大きな効果が現れる。
例えば、「私どもの新しいパイプを30日間使ってみてください。それが気に入らなかったら、金づちでパイプを砕き、その破片を返してください。」といった提案である。
87トレード・イン・オファー(下取り)
例えば、「私どもの卓上計算機を買った人には、昔の計算尺を1000円で下取りします。」といった下取りの提案をいう。
88サード・パーティー・リファラブル・オファー(第3者への委託)
外部からリストを借りて、自社でダイレクト・マーケティングするのでなく、別のリスト・オーナーにダイレクト・マーケティングを任せ、そこで自社商品を推奨させるようにし、顧客に親しい会社からの売り込みだと印象づけ、顧客に安心感を与えようとするオファー。
89メンバー・ゲット・ア・メンバー・オファー(友人紹介)
顧客に、友人の紹介を依頼し、その紹介をしてきた顧客には無料のギフトを与えるという提案。
90ネイム・ゲッター・オファー(氏名提供者への謝礼)
見込顧客のリストを作成するときに用いられ、見込顧客の名前を教えてくれた人に無料の景品を提供するというもの。
91パーチェス・ウィズ・パーチェイス(購入者に対する有償ギフト)
化粧品業界や百貨店が一般に採用している方法であって、通常の顧客が商品を購入したとき、その顧客に対して、特別価格で魅力あるギフトを提供しようとする提案。
92ディレイド・ビリング・オファー(請求書発行の遅延化)
例えば、「今注文したお客様は、来月まで代金を支払わなくて構いません。」と提案した場合をいう。顧客の出費がかさむ時期には特に効果的なオファーである。
93リデュースド・ダウン・ペイメント(値引き価格での支払い)
通常の販売活動が終わった後に、売れ残った商品を処分するため、値段を引き下げて売る提案。
94ストリップド・ダウン・プロダクツ(余分なものを取り除いた商品の提供)
先行した販売活動で売れ残り品が生じた場合に、商品の中の余分なものを取り除き、中心となる部分だけを安い価格で販売するという提案。
95シークレット・ボーナス・ギフト(秘密ボーナス・ギフト)
テレビ支援広告が行われているダイレクト・マーケティングで、一般の人が見るテレビ・コマーシャルではギフト提供を告知しないけれども、顧客が商品を注文するときの申込用紙には秘密ギフト欄を設けておき、指定の数字を記入した顧客にはギフトを提供するしくみ。
96ラッシュ・シッピング・サービス(特急出荷サービス)
季節性ギフトやフィルムのDPEに関するオファーで、特別に早く出荷するという提案である。場合によっては、顧客に特別な料金を請求することもある。
97コンペティティブ・オファー(競合品排除時の提案)
競争が過熱化してきた時にとられる方法であって、例えばダイナース・クラブが見込客に対して、アメリカン・エクスプレス・カードを返却すれば、5ドル差し上げる、と提案した。
98ノミナル・リインバースメント・オファー(少額の弁済)
質問紙の郵送に用いられ、質問紙を記入し、返送してきた人に、少額の記念品を提供するしくみ。
99イスタブリッシュ・バリュー・オファー(高価値の印象づけ)
魅力的なギフトを顧客には無料で提供し、同じギフトを顧客の友人には正常価格で提供することによって、提供したギフトの高価値性を印象づけようとするしくみ。
関連記事
ジムコブスの99通りのオファー Part1
ジムコブスの99通りのオファー Part2
ジムコブスの99通りのオファー Part3