値上げしても反応率を下げない!数字テクニック

2018年04月20日

アバター画像スーパーみえこさん

値上げしても反応率を下げない!数字テクニック

鹿ちゃん
なんか、この4月から値上げのニュースばっかりやね

スーパーみえこさん
ちょっと前に小麦粉も値上がりしたのに、今度は納豆も…

鹿ちゃん
値段は上がらんけど、容量減って実質値上げってのも多いやんなぁ

スーパーみえこさん
ホンマですよね。ブルガリアヨーグルトも4月から容量減らして実質値上げって。
お菓子作りする人は、レシピがヨーグルト500g基準で書かれてることが多いから、量を減らされると計算するのが大変みたいですよ~

鹿ちゃん
お菓子も久しぶりに買ったら昔よりサイズが小さくなっててガッカリすることばっかりやわ

スーパーみえこさん
好きなお菓子はガッツリ食べたいから、お金払うし量減らさないで!って思いますわ~

鹿ちゃん
「原材料の高騰のため」とか理由つけてるけど、原材料の値段下がったから値下げします!ってのは見たことないよな?

スーパーみえこさん
はぁ…お給料の手取りが増えないのに、値上がりする一方ですね(涙)

目次

「値段が上がった!」と顧客離れしない数字テクニック

この記事を書き始めてすぐ、カルビーが北海道産じゃがいもの不作でポテトチップスの休売で迷惑をかけたので、感謝の気持ちを込めて商品の増量を実施すると発表しました!
上記の会話でも「原材料の値段下がったから値下げします!」ってのは見たことない…と話していましたが、こういう対応してくれると消費者としては嬉しいですよね♪
企業の印象がアップしました!

参考:カルビーニュースリリース
お客様への感謝の気持ちをこめて全23品を4月から順次増量実施

でも、多くの企業はブルガリアヨーグルトのように、値段は据え置きで量を減らす…というように実質値上げを行います。
これは、消費者心理が量よりも値段に敏感なため、値段を上げると心理的なダメージが大きく、商品が売れなくなってしまうため、量を減らすことで心理的なダメージを与えずに買ってもらおうという作戦です。

アメリカの大手ピーナッツバターブランド「スキッピー」が始めたことで食品業界に広まった手法だと言われています。

これは、最初の1回は上手くいきますが2回・3回と続くと明らかに量が減ったのがバレてしまいますのでご注意を!いよいよもって価格据え置きは限界!値上げしないと…となった時、どうしたら「値段が上がった!」と顧客離れを招かずに済ませられるのでしょうか?

値上げのイメージ画像

同じ300円の値上げでも、○○が違うと印象が全然違う!

例えばここに9,600円の万年筆Aと9,700円の万年筆Bがあるとします。
AとBの違いはたったの100円です。

AもBもどちらも同じ300円値上げしたとしましょう。

万年筆A 9,600円→9,900円
万年筆B 9,700円→10,000円

どちらの方が「値上がりした!」という印象が強いでしょうか?
Bの方ではないでしょうか?

どちらも同じ300円の値上げなのに、Aの方は数字のケタが4ケタのまま。
Bの方は数字のケタが4ケタから5ケタに増えたので、大幅に値上がりした印象を与えてしまいます。ケタが違うと印象が全然違うんですね。

端数効果を利用しよう!

では、Bの万年筆を値上げしたい時はどうしたら良いかというと

万年筆B 9,700円→9,980円

のように、ケタを変えずに「9」や「8」の端数の数字を使うと、端数効果という数字マジックが発動されて、大幅に値上がりした印象を与えないだけでなく、なんとお得になっているという気分にさせてしまうという効果があるのです。

よく、スーパーや家電量販店のチラシで「298円」や「1,980円」の値段を見かけますが、あれが端数効果です。

人は半端な数字を出されると「何か意図がある」と感じて、「値下げしてくれたのでは?」と無意識に思ってしまいます。

ですので、万年筆Bの値上がり後の値段を見て「本当は10,000円の商品が、9,980円に値下げしてるのでは?」と勘違いしてしまう人もいるのです。

また、人は400円台・500円台のようにキリの良い数字を基準に考えてしまう癖があります。
498円と500円ではたった2円しか違わないのに「498円は400円台」「500円は500円台」と別のカテゴリーとして分類して考えてしまい、両者の間に100円もの差があるように感じさせてしまうのです。

ニコラス・ゲガンのパンケーキの実験

フランスの心理学者ニコラス・ゲガンが行った実験では、たったの0.01フラン(約1円)の差でもパンケーキの売り上げに影響があることがわかりました。

実験では学生を2つのグループに分け、近所の家庭にパンケーキを売りに行かせました。
1つのグループは2フラン(約200円)、もう1つのグループは1.99フラン(約199円)で売るように指示を出しました。

【実験結果】
2フランのパンケーキ→約45%の家庭に売れた
1.99フランのパンケーキ→約60%の家庭に売れた

ということで、たったの0.01フラン(約1円)の差なのに15%も売上げに差が出てしまったのです。

価格に端数を使うことで、心理的に「お得感」を与えて購買意欲を促進させたんですね。
おそるべし!端数効果…!

(日本では端数に「8」が使われることが多いですが、海外では「9」が使われることが多いです。
日本の百均ショップのような、99セントストアというのもあります。
日本では末広がりの「八」が縁起が良いから「8」が使われるのでは?と考えられているようです。
ちなみに中国でも「8」は人気の数字です。)

まとめ

値上げをする時は、

  • ケタ数が増えないように注意する!
  • 「8」や「9」などの端数効果を使ってお得な印象を与える!

アメリカの研究者によると、通販で売られていたドレスの値段を34ドルから39ドルに値上げしたところ、値上げしたのに3倍も売れた!という実験結果も報告されています。
値上げしても、反応率が下がらない工夫をして顧客離れを防ぎましょう!

※参考書籍:
ゆうきゆう著:「なるほど!」とわかる マンガはじめての心理学 



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